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関数ポインタ

今回は関数ポインタについて説明します。
関数ポインタとはその名の通り、関数のポインタです。
関数も定義するとあるメモリにその関数の領域が確保されます。
そのポインタを取得して、関数ポインタの変数にセットしてやれば、
その変数からでもその関数を実行することができます。
関数ポインタの宣言方法は、

戻り値の型 (*関数ポインタ名)(引数の型)

です。
見てもらったほうが早いと思うので下記のコードを見てください。

#include <stdio.h>

void func(int);

int main(void)
{
	//関数ポインタを宣言
	void (*pointer)(int);

	//関数ポインタにfunc関数のアドレスを代入。
	pointer=func;

	//関数ポインタから引数に100を渡してfunc関数を実行。
	(*pointer)(100);

	return 0;
}

void func(int value)
{
	printf("%d\n",value);
}

これを実行すると、100が表示されます。
まず最初の関数ポインタの宣言部分を見てください。
これは、void型の戻り値でint型の引数を一つ持つ、pointerという名前の関数ポインタを宣言しています。
つまり、これと同じ仕様の関数のアドレスをこの変数に代入できるわけです。
次の行でその代入を行っています。
単純に関数ポインタの変数に関数名を代入するだけです。
これだけで、pointerにはfunc関数のアドレスが代入されました。あとは実行です。
実行する際も今までのポインタ変数と同じです。
ポインタ変数の値を読み込むには、アスタリスクをつけるんでしたよね?
ですので、pointerの頭にアスタリスクが付いています。
これでfunc関数が実体化したわけです。
変数の周りを括弧で囲んでいるのは計算の優先順位の問題です。
囲ってないと計算順序がおかしくなるので、囲むことで先に関数の実体化をしてるわけです。
あとはいつもどおり引数を書くだけです。
今回は100を渡しています。
それが、func関数に渡され、printfで表示されている、というわけです。

これが関数ポインタの仕組みです。
そんなに難しくありませんよね?
関数ポインタは上記のように変数を宣言するときに長くなるので、
typedef宣言で型名を再定義することが多いです。
今回の場合であれば、

typedef void (*pointer)(int);

と書きます。これでpointerというこの関数の仕様に沿った新しい型が定義されました。
以後は、
pointer test;
などと書けば、この関数の仕様の関数ポインタが簡単に宣言できます。

今回の説明は以上です。
関数ポインタは非常に便利なので是非頑張って覚えましょう。


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