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コンテナ【map】

今回はmapについて説明します。
これを使うには、mapというヘッダファイルをインクルードする必要があります。
mapはちょっと特殊なコンテナで結構利用頻度が高いコンテナです。
mapはあるキーと値とを一緒にコンテナにセットして、
そのキーを元に削除したり、変更したりすることができるコンテナです。
また、要素を追加した時に、キーを基にして自動的にソートされます。
次のコードを見て下さい。

#include <map>

using namespace std;

void func(map<int,const char*>::iterator begin,map<int,const char*>::iterator end){

	for(;begin!=end;++begin){
		printf("%d,",(*begin).first);
		printf("%s\n",(*begin).second);
	}

	//改行
	printf("\n");
}

int main(void)
{
	map<int,const char*> test;
	map<int,const char*>::iterator it,begin,end;

	//要素を追加
	test.insert(make_pair(1,"あいうえお"));
	test.insert(make_pair(2,"かきくけこ"));
	test.insert(make_pair(3,"さしすせそ"));
	//同じキーを登録しようとしても無視される。
	test.insert(make_pair(3,"たちつてと"));

	func(test.begin(),test.end());

	begin=test.begin();
	end=test.end();

	//キーが2の値のイテレータを取得
	it=test.find(2);

	printf("該当キーの値は%sです。\n",(*it).second);

	return 0;
}

これを実行するとこうなります。


まず、mapの宣言についてですが、引数を二つ指定します。
一つ目はキー、二つはその値です。
キーは後でコンテナ内を検索するときに使われるものです。
上記のコードは、キーにint型、値にchar*を設定指定してます。

要素を追加するときはinsert関数を使います。
その引数の指定には、次の三通りの方法があります。

・map<キーの型、値の型>::value_type(キー、値);
・pair<キーの型、値の型>(キー、値);
・make_pair(キー、値);

一番簡単な、make_pairを使うのが手っ取り早いです。
これらを使って要素の追加を行います。
もし、キーが同じ値の要素を追加した場合は無視されます。
これを回避するには、重複キーの登録が可能な、multimapを使います。
これを使うには、multimapというヘッダファイルをインクルードする必要があります。
重複キーの登録が可能なだけで、ほかはmapと使い方は同じです。

さて、次に各要素へのアクセス方法ですが、基本的にイテレータを使います。
該当のイテレータを取得したら、

キーの値は
(*イテレータ名).first
実際の値は
(*イテレータ名).second

または、
キーの値は
イテレータ名->first
実際の値は
イテレータ名->second

と書いて取得します。
もうポインタと同じようにアクセスできます。
当然値の変更も可能です。
添字でのアクセスは基本的に出来ませんが、
キーの値を添字として扱えばアクセス可能です。
例えば、
test[3];
と書けば、
コンテナのキーが3になっている要素の値を取得します。

これで各要素へのアクセス方法も理解できましたね?

その他の関数のついては今までのコンテナと一緒です。
ですが、よく使う関数として、find関数があります。
この引数には、キーの値を指定します。
もしそのキーがあれば、対になっているその要素の値を返します。
なければそのコンテナのend()のイテレータを返します。
最後の2行は、検索後に見つかったキーの要素の値を実際に表示しています。

mapの要素の削除はerase関数を使います。
この辺の関数はvectorなどと同じです。

このコンテナは私もよく使うので、是非覚えましょう。
次回はsetについて説明します。


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