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クラスの継承

今回はクラスの継承について説明します。

クラスの継承とは、あるクラスの機能を引き継いで新しいクラスを定義することです。
継承元のクラスを基底クラス、継承先のクラスを派生クラスと言います。
まずは下記のコードを見てください。

<?php
	class OBJECT{
		protected $figure;
		protected $value;
		
		public function func(){
			echo "テスト実行<br>";
		}
		public function __construct(){
			echo "OBJECTコンストラクタ実行<br>";
			$figure=1;
			$value=2;
			
		}
		public function __destruct(){
			echo "OBJECTデストラクタ実行<br>";
		}
	}
	
	class GREAT extends OBJECT{
		public $result;
		
		public function __construct(){
			echo "GREATコンストラクタ実行<br>";
		}
		public function __destruct(){
			echo "GREATデストラクタ実行<br>";
		}
	}
	
	$test = new GREAT();
	
	//OBJECTクラスの関数実行
	$test->func();
	
	
?>

OBJECTクラスとGREATクラスを定義していますが、
GREATクラスの方はOBJECTクラスを継承して定義されています。
継承の書き方は、

class 派生クラス名 extends 基底クラス名{
~中身~
}

と書きます。
基底クラスを継承して定義された派生クラスは基底クラスで定義されていた変数及び関数に
アクセスすることが出来ますが、ここでアクセス修飾子が関係してきます。
protectedとpublicのアクセス修飾子をつけたもののみ、派生クラスからアクセス可能です。

GREATクラスのインスタンスを作成して、func関数を実行していますが、
func関数はOBJECTクラスで定義されているものですが実行できています。
func関数の前にはpublicが付いていますね?だから呼び出せたのです。
同時にGREATクラスがOBJECTクラスの関数を引き継げていることが証明されました。

ではコンストラクタはどうでしょう?
このコードを実行すると、

GREATコンストラクタ実行
テスト実行
GREATデストラクタ実行

の三つしか表示されません。つまり基底クラスのコンストラクは実行されていません。
PHPではこのようなルールがあります。

派生クラスでコンストラクタが定義されていれば、派生クラスのコンストラクがが実行される
派生クラスでコンストラクタが定義されていなければ、基底クラスのコンストラクタが実行される

今回は派生クラスでコンストラクタを定義していたので、派生クラスのコンストラクタだけが実行されたわけです。
これはデストラクタについても同様です。

もし明示的に基底クラスのコンストラクタを呼び出したい場合は、

	class GREAT extends OBJECT{
		public $result;
		
		public function __construct(){
			//基底クラスのコンストラクタを明示的に呼び出し
			parent::__construct();
			echo "GREATコンストラクタ実行<br>";
		}
		public function __destruct(){
			echo "GREATデストラクタ実行<br>";
		}
	}

のように、

parent::__construct(引数);

とparent::を頭につけて、明示的に基底クラスのコンストラクタを呼び出すことができます。
parent::が基底クラスを表しているんですね。

継承時のコンストラクタとデストラクタの実行条件が若干C++と違って混乱しやすいので気をつけましょう。
以上で、クラスの継承についての説明は終わりです。


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